- Proton Passが気になるものの、1PasswordやBitwardenと何が違うのかがつかめない
- 無料で使える範囲と有料の料金を、同じ条件で並べた情報が見つからない
- 今のパスワード管理から移せるのか、判断できない
Proton Pass、1Password、Bitwardenは、どれもパスワードを暗号化して保管するサービスです。
無料から始めたい人は、Proton PassかBitwardenが候補になります。
1Passwordには無料プランの案内がなく、14日間の無料トライアルで試す形です。
安さを優先するならBitwarden、メールエイリアスまで1つで済ませたいならProton Passが向いています。
この記事では、無料プランと料金、パスキー・メールエイリアス・2段階認証コード、暗号化と監査、移行の順に3つを比べます。
最後に、条件ごとにどの1つが合うかを整理しました。
結論:3つの違いを一覧で比べる

3つの違いは、無料で使える範囲、1人用の有料の料金、メールエイリアスの扱いに強く出ます。
Proton Passの料金ページには円表示があり、1PasswordとBitwardenにはありません。
Proton Passは円、ほかの2社はドルのまま書き、公式サイトで確かめられる項目を同じ並びで比べました。
| 項目 | Proton Pass | 1Password | Bitwarden |
|---|---|---|---|
| 無料プラン | あり | なし(14日間の無料トライアル) | あり |
| 1人用の有料 | 月374円(12か月ごとに4,488円) | 月$2.99(初年度。通常は月$3.99) | 年$19.80(月$1.65相当) |
| パスキー | 無料も対応 | 対応 | 無料も対応 |
| メールエイリアス | 内蔵(無料は10個、有料は無制限) | Fastmailと連携 | 外部のエイリアスサービスと連携 |
| 2段階認証コードの作成 | 有料プランの機能 | 対応 | Premium以上 |
| 暗号化 | AES-256-GCM | AES-GCM-256とSecret Key | AES-CBC 256とHMAC-SHA256 |
| 外部監査 | Cure53が2023年に実施 | 外部評価の結果を公開 | 2025年に4社が実施 |
| オープンソース | 公開 | No(Protonの比較表) | 公開 |
| この3社からの取り込み | 1Password・Bitwarden | Bitwarden | 1Password |
Proton Passだけが円、1PasswordとBitwardenはドル表示なので、表の金額はそのまま並べて比べられません。
1Passwordは、月$2.99が初年度の割引価格で、割引が外れた通常価格は月$3.99です。
Proton PassとBitwardenは無料プランから始められます
無料プランと料金:円とドルで比べる

無料プランの制限と有料の料金は、サービスごとに数え方が違います。
ここでは、3社の料金ページに出ている無料プランの内容と、1人用の有料の金額、家族向けの金額を並べます。
- Proton Passは無料プランがあり、有料は月374円
- 1Passwordは無料プランの案内がなく、初年度は月$2.99
- Bitwardenは無料で端末無制限、有料は年$19.80
Proton Passは無料プランがあり、有料は月374円
Proton Passの有料プランは、1人用のPass Plus、6人まで使えるPass Family、ほかのProtonサービスも付くProton Unlimitedの3つです。
Proton Passの料金ページでは、金額は円で表示されます。
Pass Plusは12か月プランで月374円、12か月ごとに4,488円で、月払いなら月624円です。
Pass Familyは12か月プランで月624円、12か月ごとに7,488円で、月払いなら月874円です。
無料のProton Freeは$0で、クレジットカードの登録は要りません。
端末の数は無制限で、ログイン、メモ、クレジットカードの保存にも上限がありません。
一方で、保管庫は2個まで、メールエイリアスは10個まで、保管庫を共有できる相手は2人までです。
有料にすると、保管庫が50個、メールエイリアスが無制限、共有できる相手が10人までに広がります。
Pass PlusとProton Unlimitedには、30日間の返金保証もあります。
1Passwordは無料プランの案内がなく、初年度は月$2.99
1Passwordの個人向けは、1ユーザーのIndividualと、最大5ユーザーのFamiliesの2つです。
1Passwordの料金ページでは、通貨はドル、カナダドル、ユーロから選び、円表示はありません。
Individualは年払いで月$2.99、通常価格は月$3.99です。
Familiesは月$4.49で、通常価格は月$5.99です。
月$2.99と月$4.49は、新規の人が1password.comで年払いを選んだときの、初年度だけの価格と書かれています。
無料プランの案内はありません。
代わりに14日間の無料トライアルがあります。
トライアルはクレジットカードが要らず、いつでも解約できます。
対応する端末は、macOS、iOS、Windows、Android、Linuxなどです。
Bitwardenは無料で端末無制限、有料は年$19.80
Bitwardenの個人向けは、無料のFree、1アカウントのPremium、最大6ユーザーのFamiliesの3つです。
Bitwardenの料金ページでは、Premiumが月$1.65で、年額の一括払いは$19.80です。
Familiesは月$3.99で、年額の一括払いは$47.88となっています。
Freeは、端末の数にもパスワードの数にも上限がなく、別の1ユーザーとの共有も無料です。
パスキーの管理と利用も、すべてのアカウントに含まれる機能として載っています。
無料のままでも使える範囲が広いため、有料にするかどうかは、2段階認証コードの作成が分かれ目になります。
パスキー・メールエイリアス・2段階認証コードの対応

パスワードの保管だけでなく、パスキー、メールエイリアス、2段階認証コードまで1つにまとめられるかは、3社で差が出る部分です。
- パスキーは3社とも使える
- メールエイリアスはProton Passだけが内蔵
- 2段階認証コードの作成は有料側の機能
パスキーは3社とも使える
パスキーは、パスワードの代わりに、端末の指紋認証や顔認証でログインできる仕組みです。
Proton Passは、無料プランを含むすべてのプランで、すべての端末でパスキーに対応すると料金ページに書いています。
Bitwardenも、パスキーの管理と利用が、すべてのアカウントに含まれる機能です。
1Passwordは、個人プランとファミリープランのどちらでもパスキーに対応します。
パスキーでは3社に差がないため、選ぶ決め手は次の2項目になります。
メールエイリアスはProton Passだけが内蔵
メールエイリアスは、本物のメールアドレスを隠して、サービスごとに別のアドレスを使う仕組みです。
Proton Passには、アプリの中で作れるメールエイリアスの機能があり、無料プランは10個、有料プランは無制限です。
有料プランでは、自分のドメインのアドレスや、転送先のメールボックスの追加も使えます。
Bitwardenは、パスワードやユーザー名を作るジェネレーターから、SimpleLogin、Addy.io、Firefox Relay、Fastmail、Forward Email、DuckDuckGoのエイリアスを作れます。
エイリアスは外部のサービスが発行するため、サービスによっては有料の契約が必要です。
1Passwordは、Fastmailのマスクメールと連携します。
先にFastmailのアカウントを作り、ブラウザ版の1Passwordからエイリアスを作る流れです。
アドレスを分ける考え方は、メールアドレスはサービスごとに分ける!漏えいしても被害を広げない使い分けで解説しています。
2段階認証コードの作成は有料側の機能
2段階認証コードは、ログインのときに追加で入力する、30秒ごとに変わる数字です。
Proton Passでは、コードを作る内蔵の認証機能がPass Plus以上の機能で、無料プランでは使えません。
Protonは、無料で使える別アプリのProton Authenticatorも出しています。
Bitwardenでは、認証キーの保存は全アカウントでできますが、コードを作るにはPremiumか、Familiesなどの有料の組織に入らなければなりません。
1Passwordは、ワンタイムパスワードを保存し、ログイン情報の自動入力と一緒にコードも入力できます。
家族で共有する保管庫に移せば、ログイン情報とコードをまとめて共有できます。
Proton Authenticatorの設定手順は、Proton Authenticatorの使い方!コードの追加・移行・同期の手順にまとめました。
暗号化・監査・オープンソースの違い

3社とも、パスワードはエンドツーエンドで暗号化され、運営会社も中身を読めないと説明しています。
違いが出るのは、暗号化の方式、外部の監査、ソースコードを公開しているかどうかです。
- Proton Passは256ビットAES-GCMで、アプリは公開
- 1PasswordはSecret Keyを加えた二重の保護
- Bitwardenはコード全体を公開し、2025年に4社が監査
Proton Passは256ビットAES-GCMで、アプリは公開
Protonのセキュリティモデルの解説によると、Proton Passのデータは256ビットのAES-GCMで暗号化されます。
暗号化の処理は端末の上で行われ、サーバーへ送られるのは暗号化されたデータだけです。
Cure53による監査は、2023年5月から6月に、モバイルアプリ、ブラウザ拡張機能、APIを対象に行われました。
ソースコードは、ブラウザ拡張機能とiOS、Androidのアプリが公開されています。
1PasswordはSecret Keyを加えた二重の保護
1Passwordの暗号化の説明では、データはAES-GCM-256で暗号化され、鍵はPBKDF2-HMAC-SHA256で強化されます。
アカウントのパスワードに、128ビットのSecret Keyを組み合わせて暗号化する点が特徴です。
外部の専門家による評価は定期的に行われ、結果は同社のサイトで公開されています。
ソースコードについては、Protonの比較表で1Passwordは「No」とされ、セキュリティ設計は白書で公開されています。
Bitwardenはコード全体を公開し、2025年に4社が監査
Bitwardenの暗号化の説明では、AES-CBC 256とHMAC-SHA256でデータを守り、端末で暗号化してから保存します。
監査の一覧には、2025年だけでCure53、ETH Zurich、Unit 42、Fracture Labsの4社が並びます。
コード全体がGitHubで公開され、ライセンスはGNU AGPL v3とBitwarden Licenseの2種類です。
移行:今のパスワード管理から移せるか

3社とも、他のパスワード管理からデータを取り込む機能を備えています。
書き出したファイルには、平文のパスワードが入ることがあるため、取り込みが終わったら削除してください。
- Proton Passへ移す
- Proton Passから出す
- 1PasswordとBitwardenの間で移す
Proton Passへ移す
Proton Passは、1Password、Bitwarden、LastPass、Dashlane、KeePassなどのパスワード管理と、Chrome、Firefox、Edge、Safariなどのブラウザから取り込めます。
1Passwordからの移行は、1Passwordのデスクトップアプリで1PUX形式のファイルを書き出し、Proton Passに渡す流れです。
Bitwardenからの移行は、Bitwardenの拡張機能で.json形式を選んで書き出します。
Bitwardenからは、ログイン情報とメモが取り込みの対象です。
Proton Pass側の操作は、拡張機能の☰から設定を開き、インポートのタブで提供元を選んでファイルを渡します。
Proton Passから出す
Proton Passの書き出しは、暗号化ZIP、非暗号化ZIP、CSVの3つの形式から選びます。
どれを選ぶかは、取り込み先のパスワード管理が対応している形式で決まります。
書き出せるのはブラウザ拡張機能、Webアプリ、Windowsアプリで、モバイルアプリからはできません。
暗号化ZIPは、そのままProton Passに戻せる形式で、ほかのサービスで使うには復号が必要です。
1PasswordとBitwardenの間で移す
1PasswordとBitwardenは、どちらも相手からの取り込みに対応しています。
Bitwardenの1Passwordからの取り込みは、1Passwordのメールアドレスとサインインアドレスを入れる直接のインポーターか、.1pux、.1pif、.csvのファイルから選べます。
1Passwordの取り込みは、Bitwardenからエクスポートしたファイルを使う形です。
Bitwardenの書き出しは、.json、.csv、暗号化した.jsonから選べます。
.csvにはカード、ID、パスキーが含まれないため、パスキーも移すなら.jsonを選んでください。
どれが向いているか?条件別の選び方
3つはどれも暗号化して保管し、パスキーにも対応しています。
違いが出るのは、無料プランの有無、1人用の有料の料金、メールエイリアスの扱いです。
自分が一番ゆずれない条件で、次の3つから選んでください。
- Proton Passが向いている人
- 1Passwordが向いている人
- Bitwardenが向いている人
Proton Passが向いている人
Proton Passは、次の条件にあてはまる人に向いています。
- 無料プランで、端末を気にせず使い始めたい人
- メールエイリアスを、別のサービスを用意せずパスワード管理の中で作りたい人
- 将来、Proton MailやProton VPNもまとめて使う可能性がある人
- ブラウザ拡張機能とモバイルのアプリのソースコードが公開されているサービスを選びたい人
無料プランは保管庫が2個、エイリアスが10個までなので、足りなくなったらPass Plusの月374円に切り替えられます。
1Passwordが向いている人
1Passwordは、次のような人に合います。
- 最初から有料で使うつもりで、14日間のトライアルで試したい人
- 暗号化に、パスワードとは別の128ビットのSecret Keyを加えたい人
- Fastmailを使っていて、マスクメールをパスワード管理と連携させたい人
初年度の割引が外れたあとは通常価格が月$3.99になるため、2年目以降の請求は更新前に料金ページで見ておくと安心です。
Bitwardenが向いている人
Bitwardenは、次の条件で選ぶ人に向いています。
- 1人用の有料を、年$19.80でできるだけ安く使いたい人
- ソースコードが全部公開され、監査の件数も多いサービスを選びたい人
- 無料プランで、端末もパスワードも数を気にせず使いたい人
2段階認証コードを同じアプリで作るなら、Premiumが必要です。
まとめ:無料の幅とエイリアスならProton Pass、安さならBitwarden、有料前提なら1Password
この記事では、Proton Pass、1Password、Bitwardenを、無料プラン、料金、パスキー・メールエイリアス・2段階認証コード、暗号化と監査、移行で比べました。
どれにするか迷ったら、次の5点を振り返ってください。
- 無料プランがあるのはProton PassとBitwardenで、1Passwordは14日間の無料トライアルです
- 1人用の有料は、Bitwardenが年$19.80、Proton Passが月374円、1Passwordが初年度の月$2.99です
- パスキーは3社とも使え、メールエイリアスを内蔵するのはProton Passだけです
- 2段階認証コードの作成は、Proton PassとBitwardenでは有料の機能です
- 1PasswordとBitwardenからProton Passへは、書き出したファイルで移せます
Proton Passは円、1PasswordとBitwardenはドルで表示され、割引やキャンペーンで変わるため、申し込む前に各社の料金ページで最新の金額を見てください。
Proton Passの機能や使い方を、基本から知りたいときは次の記事が参考になります。

