- Proton VPNという名前をよく見かけるが、どこの国の誰が運営しているのかがつかめない
- VPNで何ができるのか、自分の使い道に合うのかが判断できない
- 無料で使えると聞くが、有料とどこが違うのかが分からない
Proton VPN(プロトンVPN)は、スイスのProton AGが運営するVPNサービスです。
暗号化メールのProton Mailと同じ会社が提供しています。
通信を見られにくくし、IPアドレスを隠すという基本の使い方は、無料プランでも可能です。
有料プランにすると、接続先の国選び、動画配信、P2P、広告のブロックなどが加わります。
この記事では、運営会社と本拠地、できること、無料と有料の違い、向いている人を整理します。
読み終えるころには、Proton VPNを試す候補に入れるかどうかを決められるでしょう。
Proton VPN(プロトンVPN)とは

Proton VPNは、スイスのProton AGが運営するVPNサービスで、読み方は「プロトン・ブイピーエヌ」です。
VPNは、端末とVPNのサーバーの間の通信を暗号化し、接続先のサイトには自分のIPアドレスの代わりにサーバーのアドレスを見せる仕組みを指します。
Proton VPNは2017年に、世界向けのサービスとして公開されました。
運営元は、Proton Mail、Proton Drive、Proton Passなども提供している会社です。
有料プランでは、140か国以上にある20,000台以上のサーバーから接続先を選べます。
アプリの対応先は、Windows、macOS、Linux、Android、iPhone・iPad、Chromebook、テレビです。
ChromeとFirefoxの拡張機能もあるため、パソコンではブラウザだけを守る使い方も選べます。
公式サイトの日本語ページでは、1億人以上がProtonを選んでいると紹介されていますが、これはVPN以外のサービスも含めたProton全体の数字です。
どこの国の会社か?スイスのProton AG

Proton VPNを運営するProton AGは、スイスに本社を置く会社です。
運営元の国によって、従う法律や、捜査機関などからの情報の求めへの対応が変わるため、VPN選びでは本拠地がよく話題になります。
ここでは、次の2点から運営元を整理します。
- 本社はジュネーブ、主要株主は非営利の財団
- スイスに拠点がある意味
本社はジュネーブ、主要株主は非営利の財団
Proton AGの本社は、スイスのジュネーブ近郊にあるPlan-les-Ouatesにあります。
Protonの会社紹介ページによると、Protonは2014年にスイスで始まり、創業チームは欧州原子核研究機構(CERN)で出会った科学者たちでした。
Proton AGの主要株主は、ジュネーブにある非営利のProton財団です。
公式は、ベンチャーキャピタルからの出資を受けていないとも説明しています。
スイスに拠点がある意味
公式によると、スイスの法律では、Proton VPNに接続ログの保存義務がありません。
Proton VPNは、スイスの裁判所が承認した要請にだけ応じると、Proton VPNの透明性レポートで説明しています。
公式の説明では、外国の当局から直接届いた要請は、この承認がなければ応じる義務がなく、スイスの刑法でも応じることは禁止です。
同じレポートでは、2017年以降にスイス当局が承認した法的命令を458件受け、どれも利用者の特定につながる情報を提供できなかったと公表しています。
公式は、特定を可能にする記録を残していないためと説明しています。
ただし、スイスの会社だから誰からの要請も届かない、というわけではありません。
スイスの手続きを経た命令は届き、そのうえで何を渡せるかは、どんな記録を持っているかで決まります。
ノーログ方針の監査や、VPNで守れない範囲は、Proton VPNは安全?5年連続のノーログ監査とVPNで守れないことで詳しく扱っています。
Proton VPNでできる5つのこと

Proton VPNでできることは、無料プランで使えるものと、有料プランで加わるものに分かれます。
自分の使い道がどちらに当たるかを見ると、無料で足りるか、有料を考えるかの見当がつきます。
できることは、次の5つです。
- 通信を見られにくくし、IPアドレスを隠す
- 通信が制限された場所でもつなぎやすくする
- 接続先の国を選び、動画配信やP2Pに使う
- 広告やトラッカーをブロックする
- 経由を二重にする、Torにつなぐ
通信を見られにくくし、IPアドレスを隠す
VPNをオンにすると、カフェや駅のWi-Fiを同じく使う人や回線事業者から、通信の中身が見られにくくなります。
接続先のサイトに見えるのは、自分の本当のIPアドレスではなく、VPNのサーバーのアドレスです。
VPNの接続が途切れたときに通信を止めるキルスイッチは、すべてのアプリに入っていると公式は説明しています。
この基本の使い方は、無料プランも対象です。
公衆Wi-Fiを使うときに通信を守りたい、という使い道なら、まず無料で試せます。
通信が制限された場所でもつなぎやすくする
Proton VPNには、Stealthという接続方式があります。
Stealthは、VPNを使っていることを通信の見た目から分かりにくくして、VPNが妨げられる環境でもつなぎやすくする方式です。
公式は、ネットの検閲が厳しい国でも使えるように用意していると説明しています。
Stealthは、無料プランでも使える機能という案内です。
VPNの通信が止められやすい環境で使う予定があるなら、無料の段階からこの方式を試せます。
接続先の国を選び、動画配信やP2Pに使う
有料プランでは、140か国以上のサーバーから接続先の国を選べます。
無料プランでは、10か国のサーバーから自動で割り当てられ、国は選べません。
動画配信サービスでの利用と、BitTorrentのようなP2Pでのファイルのやり取りも、有料プランの機能です。
特定の国のサーバーにつなぎたい、動画配信の視聴に使いたいという使い道なら、有料プランが前提になります。
広告やトラッカーをブロックする
有料プランには、NetShieldという機能があります。
NetShieldがブロックするのは、広告、マルウェア、利用者の行動を追跡するスクリプトです。
VPNにつないでいる間は、広告や追跡スクリプトの読み込みがProton VPNの側で止まります。
ページに出る広告や、閲覧の記録を集める仕組みに触れる機会を減らしたい人に向いた機能です。
無料プランでは使えないため、広告対策もまとめたい人は有料プランを候補にしてください。
経由を二重にする、Torにつなぐ
有料プランでは、Secure CoreとTor over VPNという、より強い保護の機能も使えます。
Secure Coreは、通信をまずアイスランド、スウェーデン、スイスのいずれかのサーバーに通し、そこから目的の国のサーバーへつなぐ二重のVPNです。
公式は、この3か国をプライバシー保護の法律が強いことを理由に選んだと説明しています。
Tor over VPNは、匿名性を高めるTorのネットワークに、普段のブラウザからつなげる機能です。
Torの専用ブラウザを入れなくても、.onionで終わるサイトを開けるようになります。
どちらも、一般的な通信の保護より一段強い守りが必要な人向けの機能です。
無料と有料の違いと料金の目安

Proton VPNには、無料のプランと、有料のVPN PlusとProton Unlimitedがあります。
どこまで無料でできて、有料で何が増えるのかを、台数と接続先、料金の2点で整理します。
- 無料と有料で変わる台数と接続先
- 有料プランの料金と返金保証
無料と有料で変わる台数と接続先
無料プランには、期限もデータ量の上限もなく、広告も出ません。
公式は、無料プランを有料会員の支払いで支えていると説明しています。
主な違いは、次の表のとおりです。
| 項目 | 無料 | VPN Plus |
|---|---|---|
| 同時接続台数 | 1台 | 10台 |
| 接続先 | 10か国からランダム(国は選べない) | 140か国以上から選べる |
| 動画配信・P2P | × | ○ |
| NetShield・Secure Core | × | ○ |
無料プランの制限と始め方は、Proton VPN無料版でできること!1台・10か国の制限と有料との違いで詳しく扱っています。
1台だけで使い、接続先の国にこだわらないなら、まず無料プランで足りるかを確かめられます。
有料プランの料金と返金保証
円を選んだときの2年プランの月額は、VPN Plusが439円、Proton Unlimitedが999円です。
VPN Plusの2年プランは、申し込むときに24か月分の10,536円をまとめて払います。
Proton Unlimitedは、VPN Plusの機能に、Proton Mail、Proton Drive、Proton Pass、Proton Calendarの有料機能が付くプランです。
日本語の料金ページでは、通貨を円、米ドル、ユーロ、スイスフランから切り替えられます。
1か月・1年プランの価格や更新後の金額は、Proton VPNの料金は月439円から!期間別の価格と更新後の金額で整理しています。
料金はキャンペーンなどで変わるため、申し込む前に料金ページで最新の表示を見てください。
有料プランには30日間の返金保証があるため、使い勝手を見てから続けるかを決められます。
Proton VPNが向いている人と合わない人
Proton VPNが合うかどうかは、運営元の考え方と、無料と有料で使える範囲を自分の使い道に当てはめると見えてきます。
ここでは、向いている人と、別の条件を優先するなら合わない人に分けて整理します。
- 向いている人
- 別の条件を優先するなら合わない人
向いている人
まずお金をかけずにVPNを試したい人に向いています。
無料プランには期限もデータ量の上限もないため、公衆Wi-Fiで通信を守る使い方を費用をかけずに続けられるのが利点です。
運営元の本拠地や、情報の求めへの対応を重視して選びたい人にも合います。
Proton VPNは、スイスの裁判所が承認した要請にだけ応じると公表し、ノーログ方針について毎年第三者の監査を受けています。
メールやクラウド保存もまとめて同じ会社にしたい人は、Proton Unlimitedが候補です。
1つの契約で、VPNとメール、ファイル保存、パスワード管理を使い分けられます。
別の条件を優先するなら合わない人
次の条件を優先する人には、ほかの選択肢のほうが合う場合があります。
- 無料のまま国を選びたい人は、無料プランでは接続先を選べません。
- 無料で2台以上を同時につなぎたい人は、無料プランが1台までです。
- 匿名で何をしても特定されないと考えている人は、VPNがそこまで守る道具ではない点を知っておく必要があります。
ほかのノーログVPNと比べて選びたい場合は、ノーログVPNのおすすめ5選!監査・登録・令状対応で選ぶで、各社の違いを比べられます。
まとめ:スイスのProton AGが運営し、無料から試せるVPN
この記事では、Proton VPNの運営会社と本拠地、できること、無料と有料の違い、向いている人を整理しました。
判断に迷ったら、次の5点を振り返ってください。
- Proton VPNは、Proton Mailと同じスイスのProton AGが運営し、2017年に公開された
- スイスの裁判所が承認した要請にだけ応じ、特定につながる記録を残していないと公表している
- 通信の保護とIPアドレスを隠す使い方、Stealthは無料プランでも使える
- 国選び、動画配信、P2P、NetShield、Secure Core、Tor over VPNは有料プランの機能
- 有料のVPN Plusは2年プランで月439円からで、30日間の返金保証がある
VPNは通信を見られにくくする道具であって、フィッシングやアカウントの乗っ取り、自分の書き込みへの責任までは防げません。
登録からアプリの設定、接続までの流れは、次の記事で確認できます。

