Proton Mail(プロトンメール)とは?暗号化の範囲と無料版の制限

木のブロックに描かれた封筒と電話のアイコンの写真と、Proton Mailとはの見出し
  • スイスの会社の「暗号化メール」と聞くが、何がどこまで守られるのかがつかめない
  • 無料でどこまで使えるのか分からず、Gmailから乗り換えるか併用するかを決められない
  • proton.me、protonmail.com、protonmail.chの違いが分からず、同じサービスなのか判断できない

Proton Mail(プロトンメール)は、スイスのProton AGが運営する、暗号化を特徴とするメールサービスです。

無料プランがあるため、費用をかけずに始められます。

暗号化の中心は、メールの本文と添付ファイルです。

件名や宛先はエンドツーエンド暗号化の対象外で、Proton以外の相手とのやり取りは、相手側で読める形になりえます。

proton.me、protonmail.com、protonmail.chは、どれも同じサービスのアドレスです。

この記事では、運営元、暗号化の範囲、無料版の制限、ドメインの違い、始め方を整理します。

読み終えるころには、試すかどうかを自分で決められるはずです。

Proton Mail(プロトンメール)とは

Proton Mailは、Proton AGが運営する、暗号化を特徴とするメールサービスです。

公式は、エンドツーエンド暗号化とゼロアクセス暗号化を掲げています。

エンドツーエンド暗号化は、送る側と受け取る側の端末でだけ中身を読める形に戻せるよう暗号化します。

ゼロアクセス暗号化では、保存中のメールを運営元が読めない形で保管すると公式は説明しています。

データは、スイス、ドイツ、ノルウェーのサーバーに暗号化して保存されます。

公式サイトには日本語ページもあります。

どこの国の会社か?スイス当局の法的命令には応じる

運営するProton AGは、スイスのジュネーブ(Plan-les-Ouates)に本社を置いています。

Protonは、Protonの透明性レポートを公開しています。

レポートによると、外国当局からの直接の請求には応じません。

一方で、スイス当局の法的命令には応じます。

外国の当局が関わる場合は、国際司法共助と呼ばれる手続きを経ることがあります。

つまり、スイスの会社だから誰にも情報が渡らない、という話ではありません。

どの当局から、どんな手続きで請求が届くかによって、扱いが変わります。

暗号化される範囲とされない範囲

Proton Mailで暗号化される本文と添付、エンドツーエンドの対象外となる件名と宛先、Proton以外の相手とのメールの扱いを分けて示した図解

Proton Mailの暗号化は、メールのすべての情報を同じように守るわけではありません。

どの情報が、どの相手とのやり取りで守られるのかを、次の3点で整理します。

  • 本文と添付は暗号化される
  • 件名や宛先はエンドツーエンドの対象外
  • Proton以外の相手とのメール

本文と添付は暗号化される

Proton Mailでは、メールの本文と添付ファイルが暗号化されます。

保存中のメールは、ゼロアクセス暗号化で保管されます。

Proton利用者どうしのメールは、常にエンドツーエンド暗号化で送られると公式は説明しています。

そのため、Proton同士でやり取りする本文と添付は、運営元からも読まれにくい形で扱われます。

暗号化の範囲は、Proton Mailで暗号化される情報の説明にまとまっています。

件名や宛先はエンドツーエンドの対象外

件名は、エンドツーエンド暗号化の対象外です。

公式は、メールの標準的な仕組みとの互換性を保つためと説明しています。

件名と送受信アドレスは、暗号化はされますが、エンドツーエンドではありません。

プライバシーポリシーには、Protonがアクセスできる情報として次の項目が挙がっています。

  • 送受信者のアドレス
  • 件名
  • 送受信時刻
  • 添付ファイル名
  • 受信メールの送信元IP

詳しくは、Proton Mailのプライバシーポリシーに書かれています。

知られたくない内容は、件名に書かないようにすると安心です。

Proton以外の相手とのメール

Proton以外のメールサービス宛てのメールは、既定でTLS(通信を暗号化する標準の仕組み)で送られます。

TLSはエンドツーエンドではないため、相手のメールサービスが読める形で届きます。

パスワード保護メールにすれば、Proton以外の相手宛てでもエンドツーエンドにできると、Proton Mailの暗号化の解説は説明しています。

Proton以外から届くメールも、通り道はTLSで暗号化されています。

届いたメールは、Proton側で保存するときにゼロアクセス暗号化がかかります。

ただし、送信者側のメールサービスには、メールのコピーが残りえます。

Gmailなどの外部サービスとやり取りするときは、相手側に残るコピーまでProton Mailの暗号化の対象にならない点を押さえてください。

無料版の容量・送信上限・削除の条件

Proton Mail無料版の上限を、最大1GBでアドレス1個の容量、Proton Mail以外の宛先へ1時間50通・1日150通の送信数、12か月使わないと削除対象になる条件の3枚のカードで示した図解

無料版には、容量、送信できる通数、使わずに放置した場合の扱いに制限があります。

どれも普段の使い方に直結するため、有料プランとの違いも交えて次の3点で整理します。

  • 容量とアドレス数
  • 送信できる通数の上限
  • 12か月使わないと削除対象になる

容量とアドレス数

無料版の容量は最大1GBで、アドレスは1個です。

容量は500MBから始まり、Mailの使い始めの項目を終えると1GBになります。

Proton Mailの受信トレイの左下。容量ボーナスを獲得する3項目のチェックリストと、使用量648.05KB/500.00MBの表示

登録直後の受信トレイでは、容量の上限が500MBと表示され、チェックリストを期限内に終えると容量が2倍になると案内されます。

独自ドメインは、Mail Plusで1つ、Proton Unlimitedで3つ使えます。

Proton UnlimitedにはVPNやパスワード管理なども付いています。

日本語の料金ページでは、価格が円で表示されます。

Proton Mailの日本語の料金ページ。12か月プランでProton Freeが0円、Mail Plusが月499円、Proton Unlimitedが月1,249円と表示されている

有料プランとの違いは、次の表のとおりです(料金は12か月プラン)。

プラン容量とアドレス数料金
無料1GB、1個0円
Mail Plus15GB、10個月499円、12か月ごとに5,988円
Proton Unlimited500GB、15個月1,249円、12か月ごとに14,988円

料金はキャンペーンなどで変わるため、申し込む前に料金ページで最新の表示を見てください。

有料プランは30日間の返金保証つき

Proton Mailの料金を見る

有料プランには30日間の返金保証があるので、合わなければ早めに見直せます。

送信できる通数の上限

無料版で送れる通数は、Proton Mail以外の宛先に対して、1時間に50通、1日に150通までです。

To、CC、BCCの宛先は、1件ごとに1通と数えます。

たとえば10人宛てに1通送ると、10通分として数えられます。

Proton Mail宛ての送信には、より高い上限が設けられています。

受信は無制限です。

上限の詳細は、Proton Mailの送信上限の説明で確かめられます。

12か月使わないと削除対象になる

無料アカウントは、12か月ログインも利用もないと、削除の対象になります。

削除の30日前、15日前、7日前に、通知されます。

有料プランの契約中は、削除の対象になりません。

削除されると、メールなどのデータが消えます。

アドレスは、原則として別の人に再割り当てされません。

受け取り専用のアドレスとして置いておくなら、12か月以内にログインや利用があるかが判断材料になります。

扱いの詳細は、Protonの非アクティブアカウントの扱いにあります。

proton.me・protonmail.com・protonmail.chの違い

proton.meは新規登録の既定、protonmail.comは登録時に選べる、protonmail.chは元のドメインであることを3枚のカードで示し、pm.meは有料プランだけと注意書きにした図解

ドメインは、メールアドレスの@より後ろの部分です。

Proton Mailには4種類のドメインがありますが、どれも同じProton Mailのアドレスです。

ドメイン位置づけ
proton.me新規登録の既定
protonmail.com登録時にproton.meの代わりに選べる。有料なら追加アドレスにも使える
pm.me有料プランのみ
protonmail.ch元のドメイン。2016年より前の登録の既定で、有料なら追加アドレスに使える

登録したアドレスが、主アドレスになります。

違いの詳細は、Protonのドメインの違いの説明にまとめられています。

無料アカウントの作り方とRecovery Kit

無料アカウントは、公式の登録ページから作ります。

無料プランから始められます

無料アカウントを作る

登録の流れは、次の4つです。

  1. 登録ページで無料プランを選ぶ
  2. ユーザー名とパスワードを作る。ドメインはproton.meかprotonmail.comから選べる
  3. 人間確認を求められる場合がある。表示に従って進める
  4. Recovery Kitをダウンロードして保管する。回復用フレーズが、パスワードを忘れたときの回復手段になる

Proton Mailの登録画面。ユーザー名の右にドメインの選択欄(@proton.me)があり、その下にパスワードの入力欄が2つ並んでいる

ユーザー名の欄の右端で、使うドメインを選べます。

Proton Mailの人間確認の画面。CAPTCHAとメールのタブがあり、CAPTCHAではパズルのピースを正しい位置へ動かすよう求められている

人間確認の画面には、CAPTCHAとメールの2つのタブがあります。

spaのアイコン
spa

僕が登録したときの人間確認は、ロボットではないことを確かめる画面に答えるだけで済みました。Recovery Kitの保存は少し面倒ですが、あとで困らないように保存しておきましょう。

Proton Mailのアカウントの保護の画面。回復フレーズをPDFでダウンロードするボタン、テキストとしてコピーするリンク、紛失時の注意への同意欄がある

回復フレーズは、PDFでダウンロードするか、テキストとしてコピーして保存できます。

画面には、回復フレーズをなくすとアカウントに入れなくなる可能性があることへの同意欄も並びます。

手順の詳細は、Proton Mailの無料アカウント作成手順にあります。

Proton Mailが向いている人と合わない人

Proton Mailが合うかどうかは、暗号化の範囲と無料版の条件を自分の使い方に当てはめると見えてくるでしょう。

ここでは、向いている人と、別の条件を優先するなら合わない人に分けて整理します。

  • 向いている人
  • 別の条件を優先するなら合わない人

向いている人

本文や添付ファイルを、保存中も含めて運営元に読まれにくくしたい人に向いています。

Proton Mailでは、本文と添付が暗号化され、保存中のメールもゼロアクセス暗号化で保管されます。

運営元が読めない形で保管すると公式が説明しているため、預けたメールの扱いを気にする人には判断材料になります。

無料で、いまのメールとは別のアドレスを1つ持ちたい人にも向いています。

無料版にはアドレスが1個付き、最大1GBの容量で使い始められます。

普段のアドレスとは別の窓口ができるため、用途を分けやすくなります。

登録などの受け取りに別のアドレスを使えば、普段のアドレスを渡す場面が減るはずです。

用途別の受け取り用アドレスを試したい人にも合います。

受信は無制限なので、登録確認やお知らせを受け取る窓口として使いやすいでしょう。

有料プランへ進むかどうかを、無料の範囲で考えられます。

別の条件を優先するなら合わない人

次の条件を優先する人には、Proton Mailの無料版は合いません。

  • 大きな無料容量が要る人は、無料の最大1GBでは足りません。
  • 長く放置するアドレスを残したい人は、12か月使わないと削除対象になります。
  • 件名や宛先も隠したい人は、それらがエンドツーエンドの対象外であることを知っておく必要があります。
  • 外部宛てもエンドツーエンドにしたい人は、既定ではそうならない点に注意が要ります。
  • パスワード回復の準備をしたくない人は、Recovery Kitの保管が必要になります。

どれも欠点というより、何を優先するかによって合う人が分かれます。

まとめ:暗号化は本文と添付が中心、無料で試して決められる

この記事では、Proton Mailの運営元、暗号化の範囲、無料版の制限、ドメインの違い、始め方を整理しました。

判断に迷ったら、次の5点を振り返ってください。

  • Proton Mailはスイスのジュネーブに本社を置くProton AGが運営し、スイス当局の法的命令には応じる
  • 暗号化は本文と添付が中心で、件名と宛先はエンドツーエンドの対象外
  • Proton以外の相手とのメールは、既定では相手側で読める形で届く
  • 無料版は最大1GB・アドレス1個で、12か月使わないと削除対象になる
  • proton.me、protonmail.com、protonmail.chは、ドメインが違っても同じサービス

Proton Mailの暗号化は本文と添付が中心で、件名、宛先、外部とのやり取りまでは守りきれません。

受け取ったメールの被害を広げないアドレスの分け方は、次の記事で確認できます。

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