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会員登録は偽名でもいい?本当の情報が必要な欄と、渡さなくていい欄の線引き

会員登録は偽名でもいい?本当の情報が必要な欄と、渡さなくていい欄の線引き
  • 会員登録のたびに名前や生年月日を求められるが、全部本当のことを書く必要があるのか分からない
  • 偽名で登録したら罪になるのか、バレたらどうなるのか判断がつかない
  • どの欄なら本当の情報を書かずに済むのか、線引きが分からない

サービスへの会員登録で、すべての項目に本名や正しい住所を入力することへ不安を覚える人は少なくありません。

お金のやり取りや商品の配送、本人確認、年齢確認、行政、勤務先が関わる手続きでは、正確な情報を入力する必要があります。

メルカリのように、利用規約や公式の案内で偽名やニックネームの登録を明確に禁じているサービスも存在します。

一方で、配送も支払いも発生しないアプリの生年月日や住所など、サービスの提供に直接関係しない欄は、空欄のままにするか、実態と異なる値でも利用できる場面が見られます。

ただし、多くのサービスでは規約上、正確な情報の登録を求めており、違反とみなされた場合はアカウントの利用停止措置を受ける可能性があります。

実在の個人情報を渡さなかった欄については、仮に外部への漏えい事故が起きたとしても、自身の個人情報には直結しません。

2026年に公表された実際の情報漏えい事例を確認すると、企業側が保持していた項目ごとに流出の範囲が異なっており、入力する情報を絞り込む判断の基準が分かります。

漏えいした事例で、どの欄が出ていったか

実際の情報漏えい事件において、サービス側に渡した項目のうち何が外部へ流出したのかを確認してみましょう。

  • infoQ では、登録した項目のほぼすべてが対象になった
  • 焼肉きんぐのアプリでは、会社が持っていない情報は漏れなかった
  • Gyazo では、メールアドレスを登録していない匿名ユーザーが多かった

企業に渡した情報の内容によって、被害の受け方がどのように異なるのかを具体的に見ていきます。

infoQ では、登録した項目のほぼすべてが対象になった

GMOリサーチ&AIが運営するアンケートサイト「infoQ」では、2026年10月5日に不正アクセスによる情報漏えいが公表されました。

第三者がサイトで使用していたソフトウェアの脆弱性を悪用して侵入し、同社が個人情報を保有している最大94万8,498件が流出の対象となっています。

アンケートに答えてポイントをためるサービスで、登録情報には氏名だけでなく生年月日や住所、電話番号まで含まれていました。

(2) 項目 氏名、フリガナ、性別、生年月日、メールアドレス、住所、電話番号、パスワード(暗号化されたもの)、会員ID、その他の会員登録情報(ニックネーム、保有ポイント数、最終回答日等のご利用状況に関する情報)

https://gmo-research.ai/pressroom/notice/notice-20261005

公表された項目を確認すると、会員登録時に求められて入力した項目の大半が外部へ持ち出されたことが分かります。

利用者の側で講じることができた対策としては、謝礼の受け取りに不可欠な項目と、そうではない項目を区別して判断することが挙げられます。

ただし、アンケートサイトは属性に応じた調査を行う性質上、年齢や性別の正確な登録が前提となる場合があるため、利用規約をあらかじめ確認してください。

もし仮に必須ではない欄を空けていたり、実態と異なる値を設定したりしていれば、漏れた情報が本人の正確な情報と結びつくことはありませんでした。

焼肉きんぐのアプリでは、会社が持っていない情報は漏れなかった

物語コーポレーションが展開する「焼肉きんぐ 公式アプリ」でも、会員情報の流出に関する報道がありました。

ASCII.jp(物語コーポレーションの発表の報道)によると、アプリのユーザー登録数1080万8784件のうち、1078万8963件というほぼ全ユーザーの情報が流出対象となりました。

しかし、この事例で流出した項目の範囲は、infoQの事例とは大きく異なっています。

流出した情報には、会員番号、氏名(アプリ登録名)、メールアドレス、電話番号が含まれる。一方、ログインパスワード、生年月日、性別、郵便番号、保有ポイントを含む店舗利用履歴は流出していない。クレジットカードなどの決済情報については、同社では保有していないという。

https://ascii.jp/elem/000/004/440/4440100/

報道の通り、会社側が保有していなかったクレジットカード情報などはそもそも漏えいしていません。

また、氏名として漏えいした項目も「アプリ登録名」にとどまっています。

利用者の立場で考えると、アプリの登録名にニックネームを設定していれば、漏えいした名前は本名ではなくて済みました。

サービス側へ最初から預けていない情報は、サーバーが攻撃を受けても流出しようがありません。

Gyazo では、メールアドレスを登録していない匿名ユーザーが多かった

Helpfeelが提供するスクリーンショット共有サービス「Gyazo」では、2026年9月25日に第二報として漏えい状況の詳細が公表されました。

対象となったデータ約2,362万件のうち、メールアドレスの登録がない匿名ユーザーが約1,801万件を占め、全体の約76%にのぼっています。

一方、メールアドレスの登録があったユーザーは約562万件で、全体の約24%にとどまりました。

流出した情報の種類や範囲はユーザーごとに異なり、約2,362万件すべてについてメールアドレス等の情報が流出したものではありません。

https://corp.helpfeel.com/news/news-20260925-01

アカウントを作成しなくても機能を利用できるサービスでは、登録手続き自体を行わない選択肢が存在します。

情報を登録せずに利用を続けることそのものが、外部へ不要な個人情報を渡さない手段として成り立ちます。

メールアドレスを預けていなかった匿名ユーザーであれば、アドレスが外部へ流出する心配はありませんでした。

本当の情報を書かないといけないところ

すべての会員登録で入力を省略できるわけではなく、必ず正しい情報を提示しなければならない領域があります。

  • お金と配送が関わるところ
  • 本人確認や年齢確認があるところ、行政、勤務先
  • 偽名を規約で禁止しているところ

これらの条件に当てはまる場合は、虚偽の記載を行うと重大な不利益を被るおそれがあります。

お金と配送が関わるところ

銀行、証券会社、クレジットカードの発行、オンライン決済サービスなど、金銭のやり取りを伴う登録では本当の情報が求められます。

また、通信販売で形のある商品を受け取る場合の配送先住所についても、正確な記載が欠かせません。

架空の住所では荷物が届きません。

財産や実際の物品が移動するサービスでは、迷わず正確な氏名と住所、連絡先を入力してください。

本人確認や年齢確認があるところ、行政、勤務先

公的な手続きや身元確認を求められる場面では、正しい個人情報の提出が前提となります。

身分証を提出するサービスでは、登録した内容と書類が合っている必要があります。

年齢制限が厳格に定められているサービスにおける年齢確認でも、虚偽の生年月日を登録することは不適切です。

行政機関のオンライン申請窓口や、勤務先から指示された福利厚生・業務システムの登録も同様です。

公的な証明や組織内の管理が目的である窓口では、必ず正しい情報を入力して手続きを進めてください。

偽名を規約で禁止しているところ

取引の安全性や不正利用防止の観点から、利用規約で実名の登録を義務付けているサービスが存在します。

たとえばフリマアプリのメルカリは、公式コラム「メルカリの登録は本名以外もOK?」の中で明確な方針を示しています。

結論から言うと、メルカリの本人情報登録では偽名やニックネームの使用は禁止されています。

https://jp-news.mercari.com/contents/655

同コラムでは、名前だけでなく他の重要項目についても同様に禁止している理由を次のように述べています。

もちろん、住所や生年月日を偽ることも禁止されています。その理由は主に「利用者のあんしん・あんぜんな取引のため」です。

メルカリ利用規約の第4条などには本人情報登録に関する定めが置かれており、登録内容に正確ではない情報や虚偽の情報が含まれている場合は登録拒否の対象となります。

メルカリでは取引相手や他のユーザーに本名が全体公開されるわけではなく、別途ニックネームを設定して活動する仕様が用意されています。

表向きの表示名に愛称を使える場合であっても、運営側へ提出する本人情報の欄に偽名を書き込む行為は避けてください。

本当の情報でなくても使えることが多い欄

配送も金銭のやり取りも発生しないサービスでは、必ずしも本名や厳密な住所を必要としない欄が存在します。

  • 名前
  • 生年月日と住所
  • 電話番号

それぞれの入力項目において、具体的にどのような対応をとれば安全を保てるのかを解説します。

名前

画面上の表示名と、内部的な本名の入力欄が分かれているサービスでは、表示名だけの登録で済むかを確認してください。

コミュニティ機能やゲーム、一般的な情報閲覧アプリなどでは、ニックネームの登録だけで十分に機能を利用できます。

実名を求める明確な理由がない場所で、本名をそのまま入力する必然性は高くありません。

イニシャルや普段使っているハンドルネームを設定しておけば、登録情報の漏えいが起きた際にも漏れた名前は本名ではありません。

本名の入力欄が用意されていても、任意項目であるなら入力せずに空欄のまま進めてください。

生年月日と住所

法律上の年齢確認や商品の配送を伴わないサービスであれば、生年月日や番地までの正確な住所を企業へ渡す理由は薄くなります。

生年月日が任意の欄なら、空けたまま進めてください。

住所の項目に関しても、都道府県の選択だけで完了するフォームであれば、市区町村や番地まで詳しく書き込む必要はありません。

不要な詳細情報をフォームに打ち込まない習慣をつけると、万が一の漏えい時にも居住地が特定されるリスクを抑えられます。

必須入力になっていない住所欄は、何も入力せずに登録を完了させてください。

電話番号

電話番号の入力を求められた際、適当な番号をでたらめに打ち込む行為は絶対に避けてください。

存在しない番号のつもりで入力しても、実際には第三者が日常的に使用している電話番号と偶然一致してしまう恐れがあります。

認証用のSMSやサービスからの連絡が全く関係のない他人に送信され、その人に迷惑がかかりえます。

連絡先の入力が任意であれば、番号を空欄にしておく対応が確実です。

認証のために電話番号の入力がどうしても必須となっている場合は、自身が管理する050から始まるIP電話番号などを活用する方法があります。

普段通話に使っているメインの携帯電話番号と切り離すことで、連絡先の流出や不要な通知の着信を防ぐ助けとなります。

書かない・偽るときに知っておくこと

サービスへ実態と異なる情報を入力したり、空欄で進めたりする際には、あらかじめ留意すべき注意点が存在します。

  • 規約違反で利用停止になりうる
  • 他人の実在の情報は使わない
  • 何を書いたかを記録する

安易な判断でトラブルに巻き込まれないよう、それぞれの注意点を正しく把握してください。

規約違反で利用停止になりうる

多くのサービスは利用規約で正確な情報の登録を求めていて、個人の解説サイト「やりすぎセキュリティ」も、「【合法】正しく偽名・偽個人情報を入力して本名を守る」という記事でこの点に触れています。

同サイトは「合法ではあるがだいたい規約違反」という見出しを掲げ、登録する情報の基準について次のように説明しています。

実は、「お金が関係・形のある物を受け取るサービスか?」の2種類しかない。

https://excesssecurity.com/fake-personal-information/

同サイトの見解では、金融機関や宅配など実物の受け渡しを伴う場では偽らないとしつつ、規約違反が発覚した場合のリスクについては、次の一文があります。

当然、実際にアカウントを退会・停止させられた際は何も言う権利はない。

虚偽の情報を入力してアカウントが停止された場合、これまでにためたポイントや購入履歴、利用権がすべて失われる可能性があります。

実態と異なる値での登録は、運営側からサービスの利用権を取り消されるリスクと隣り合わせであることを認識してください。

他人の実在の情報は使わない

登録時に本名を使いたくないからといって、実在する他人の氏名や住所、電話番号を勝手に使用してはいけません。

他人の情報を使うと、その人へのなりすましになりかねません。

その人の家に荷物や請求、連絡が届けば、迷惑をかけることになります。

本名を入力しない場合であっても、架空のニックネームや自身が所有する連絡手段の範囲にとどめてください。

実在する人物の権利や生活を侵害しない配慮は、どのような登録作業においても前提となります。

何を書いたかを記録する

会員登録の際に任意で別の表記を用いたり、普段と異なる生年月日を設定したりしたときは、その内容を必ずメモに残してください。

パスワードを忘れてログインできなくなった際や、不正アクセスの検知でロックがかかった際に、登録情報の確認を求められます。

「登録した生年月日を入力してください」と要求されたとき、適当に入力した値を思い出せなければアカウントを復旧できません。

その場合、アカウントに入れなくなるおそれがあります。

パスワード管理アプリなどを利用し、保存するパスワードのメモ欄へ入力した日付や文字列を書き留めておくと確実です。

自分が何を入力して登録を完了させたのかを把握できる状態にしておけば、復旧時のトラブルを防げます。

線引きの早見表

どのサービスで本当の情報を書くべきか、どのような項目なら空欄や愛称で対応できるのかを表にまとめました。

欄やサービスの種類本当の情報を書くか理由
通販の届け先本当の情報を書く宛先や住所が正しくないと商品が届かず配送トラブルになるため
クレジットカード決済本当の情報を書くお金のやり取りがあるため
銀行・証券会社本当の情報を書く本人確認があり、お金を預けるため
本人確認のあるサービス本当の情報を書く提出する公的身分証と記載事項が合致しないと審査に通らないため
メルカリなど規約で禁止のサービス本当の情報を書く公式コラムや利用規約で正確な登録が義務付けられており違反になるため
配送も支払いもないアプリの生年月日空ける、または本当の値でなくても使える年齢確認や配送がなければ、サービスを使うのに本当の値は要らないことが多いため
住所が都道府県までの選択都道府県までで止める選択式ならその範囲で留め、不要な市区町村や番地まで入力しないため
任意の電話番号欄空けておく必須でない連絡先を入力すると漏えい時に連絡先が紐づく原因になるため

入力画面を開いたときは、表に記載された基準を思い出しながら、その項目がサービス提供に本当に必要なのかを判断してください。

まとめ

会員登録を行う際は、すべての項目を正直に埋める前に「このサービスに本当の情報が必要か」を一度立ち止まって考えてみてください。

お金や配送、公的な本人確認が関わらないサービスであれば、任意の欄を空けておくだけで流出時のリスクを大きく減らせます。

ただし、多くの規約は正確な登録を求めているため、虚偽の記載によって利用停止などの不利益を被る可能性がある点には注意が必要です。

登録するメールアドレスをサービスごとに分ける方法は、メールアドレスはサービスごとに分ける|漏えいしても被害を広げない使い分けで確認できます。