- 電話番号が漏れたと知らされたが、何が起きるのかがつかめない
- 番号は簡単に変えられないので、どう備えればいいのかが分からない
- 自分の番号が漏れているかを、調べる方法があるのか分からない
電話番号だけが漏れた場合、すぐにお金の被害が出るとは限りません。
ただし、詐欺電話や詐欺SMSの入口にはなりえます。
備えの中心は、SMSで届く認証コードを誰にも教えず、偽サイトにも入力しないことです。
あわせて、知らない着信やSMSの入口を減らし、番号を乗っ取られても大事なサービスに入られにくくしておきます。
漏えい確認サービスのHave I Been Pwnedで調べられるのは、メールアドレスとユーザー名です。
そのため、番号は漏れた前提で備えるほうが現実的です。
起きうることを整理したうえで、番号を変えずにできる備えを順に紹介します。
電話番号が漏れると、何が起きうるのか

番号だけが漏れた場合に、どのような被害や連絡が考えられるかを整理します。
- すぐにお金の被害になるとは限らない
- 詐欺電話の入口になりうる
- 偽SMSから、認証コードを入力させられる
まず、お金の被害との関係から確認します。
すぐにお金の被害になるとは限らない
個人情報保護委員会のFAQ(Q6-11)は、住所、電話番号、メールアドレス、SNSアカウントだけの漏えいを、直ちには財産的被害のおそれがある漏えいに当たらないとしています。
理由は、その規定が、漏れたデータで本人になりすまして財産が処分される場合を想定しているためです。
これは事業者の報告義務の区分に関する説明で、被害が出ないという意味ではありません。
番号だけで、すぐに口座やカードのお金が動くとは限らないと分かれば、慌てて手続きを重ねずに済みます。
一方で、番号は連絡の入口になります。
その入口から起きうることを、次の2つで見ていきます。
詐欺電話の入口になりうる
国民生活センターは2025年8月、海外からの知らない国際電話について注意を呼びかけました。
手口として挙げられているのは、代金収納会社を装って個人情報を聞き出す電話と、電力会社を装う自動音声です。
内容は国民生活センターの国際電話に関する注意喚起で読めます。
警察庁も、2023年7月以降、国際電話番号を使った特殊詐欺が急増していると警察庁の国際電話番号を使った特殊詐欺の注意喚起で伝えています。
知らない番号からの着信は、出る前に一度立ち止まる理由になります。
偽SMSから、認証コードを入力させられる
警察庁のフィッシング対策ページによると、フィッシング(偽サイトで情報を入力させる手口)では、IDとパスワードのほか、ワンタイムパスワードや暗証番号も入力させられます。
SMSは携帯電話番号宛てに送れるため、警察庁は携帯会社の迷惑メッセージブロックの活用を勧めています。
実例として、国民生活センターは2020年の発表で、宅配便の不在通知を装う偽SMSを取り上げました。
偽サイトに入力したID、パスワード、暗証番号、認証コードが、キャリア決済で不正利用された例があります。
詳しくは国民生活センターの不在通知を装う偽SMSの注意喚起で確認できます。
SMSが届くことそのものより、リンク先で何を入力するかが分かれ目になります。
自分の番号が漏れたか、調べる方法はあるのか
海外の漏えい確認サービスHave I Been Pwnedの公式FAQ(英語)は、検索できるものをメールアドレスまたはユーザー名としています。
Googleのダークウェブレポートは、2026年に新規のスキャンが終わり、その後に利用できなくなりました。
経緯はGoogleのダークウェブレポートの更新についての案内(英語)にあります。
番号を入れれば漏えいが分かるとうたう見知らぬサイトに、番号を入力する必要はありません。
確認に時間を使うより、漏れた前提で備えるほうが現実的です。
不明な着信とSMSの入口を減らす

知らない相手からの着信やSMSは、届く前に整理しておくと、詐欺の入口を減らせます。
- iPhoneで不明な発信者の着信を整理する
- 知らない国際電話には出ない、折り返さない
- 携帯会社の迷惑SMS対策を確かめる
どの設定も、届くものを全部は止められないため、重ねて使ってください。
iPhoneで不明な発信者の着信を整理する
iPhoneには、連絡先にない番号からの着信を整理する設定があります。
設定アプリでアプリの中の「電話」を開くと、不明な発信者の着信を消音したり、不在着信を別のリストに分けたりする設定が見つかります。
確認したiPhoneでは、「不明な発信者をスクリーニング」の欄で、しない、通話の理由を尋ねる、消音の3つから選べました。
画面の説明によると、消音を選ぶと、保存されていない番号からの着信は鳴らずに留守番電話へ送られ、番号が履歴に表示されます。
通話の理由を尋ねるを選ぶと、発信者に詳細を尋ねてから着信音が鳴ります。

その下の通話フィルタリングの欄にある「不明な発信者」をオンにすると、不明な番号からの不在着信と留守番電話が、別のリストに移ります。
Appleサポートの不明な発信者を管理する案内でも、着信の設定は同じ3つから選ぶとあります。
Appleは、この機能についていくつかの注意を挙げています。
標準の通話料やデータ料が適用される場合があります。
ローミング中は、設定に関係なく、着信はスクリーニングされません。
緊急サービスに電話すると、スクリーニングは24時間オフになります。
家族や病院など、連絡先に保存していない番号は、先に連絡先へ入れておくと、必要な電話を逃さずに済みます。
知らない国際電話には出ない、折り返さない
知らない国際電話は、「+」で始まる番号から届きます。
国民生活センターは、こうした電話には出ない、折り返さないよう呼びかけています。
固定電話なら、国際電話不取扱受付センター(0120-210-364)で、国際電話の利用を休止できます。
携帯電話では、着信の拒否設定や、携帯会社のサービスを使えます。
ただし、OSなどによっては、拒否設定に対応していない端末もあります。
警察庁も、携帯電話では国際電話の着信を規制できるアプリを勧めています。
携帯会社の迷惑SMS対策を確かめる
迷惑SMSの対策は、携帯会社ごとに名前も初期設定も違うため、自分の契約で一度確認しておいてください。
ドコモのSMS拒否設定は、Xi、5G、5G(ahamo)の契約で使えます。
このうち危険SMS拒否は、フィッシングと判定されたSMSを拒否し、2022年3月24日以降の新規契約者には自動で適用されます。
国際SMS拒否や、個別の番号の拒否も選べます。
設定中にドコモ以外から送られたSMSには、送信側に料金がかかる点に注意してください。
auの迷惑SMSブロックは、申し込み不要で自動的に適用され、無料です。
まれに迷惑でないSMSも規制され、拒否されたSMSは復旧できません。
ソフトバンクのSMSの迷惑メール対策では、迷惑SMSフィルターを強、標準、利用しないの3段階から選びます。
初期設定は標準で、ソフトバンクは強を勧めていますが、強にすると大量送信や短縮URLのSMSも止まることがあります。
なりすましSMS拒否は初期設定で利用中、URLリンク付きSMS拒否と海外からのSMS拒否は初期設定では使われていません。
楽天モバイルの迷惑SMS拒否設定は無料で、初期設定はオンです。
Rakuten Link同士のSMSと、2026年2月24日以降に申し込んだRakuten最強プラン(データタイプ)は対象外です。
4社とも、すべての迷惑SMSを拒否できるわけではありません。
認証コードを教えない、リンク先に入力しない
着信やSMSが届いたあとに被害へつながるかどうかは、受け取った側の対応で分かれます。
- 認証コードは誰にも教えない
- SMSのリンク先に入力しない
- 表示された発信者番号だけでは本人確認にならない
順に確認します。
認証コードは誰にも教えない
Appleは、Apple Accountのパスワードや確認コードを、他人に教えないよう案内しています。
Apple側がこれらを尋ねることはないとも、Appleのソーシャルエンジニアリングへの注意の案内(英語)にあります。
届いたコードを、電話口で伝えたり、メッセージで返信したりしないでください。
Apple以外のサービスのコードも、同じ扱いにするのが安全です。
SMSのリンク先に入力しない
SMSに書かれたリンクから開いたページには、IDやパスワード、認証コード、暗証番号を入力しないでください。
利用中のサービスに用事があるときは、公式アプリや、自分で登録したブックマークから開き直します。
偽サイトに入力した情報は、前の節で紹介した2020年の例のように、不正利用につながったことがあります。
もし入力してしまったときは、警察署やフィッシング110番が相談先になります。
表示された発信者番号だけでは本人確認にならない
Appleは、発信者番号は偽装されることがあり、電話番号の表示だけでは本人確認にならないとしています。
銀行や携帯会社を名乗る着信でも、画面に出た番号だけで信用しないでください。
不安なときは、いったん切って、公式サイトや契約書類に載っている番号へ、自分からかけ直します。
大事なサービスのSMS認証を、別の方式にする
SMS認証とは、ログインのときに電話番号へ届くコードで本人確認をする方式です。
この方式は、番号を乗っ取られると破られるおそれがあります。
- 番号の乗っ取り(SIMスワップ)とは
- Googleアカウントで見る、SMS以外の方式
大事なサービスだけでも、別の方式にしておくと備えになります。
番号の乗っ取り(SIMスワップ)とは
SIMスワップは、販売店で偽造した本人確認書類を使って他人になりすまし、MNP(番号を他社へ移す手続き)やSIMの再発行で、携帯電話番号を乗っ取る手口です。
説明は警察庁の令和7年上半期のサイバー空間の情勢に載っています。
番号を乗っ取られると、その番号に届くSMSの認証コードを、相手に受け取られるおそれがあります。
実際に、SIMスワップはネットバンキングの不正送金に使われました。
2022年9月には、警察庁が総務省と連携し、携帯各社に販売店での本人確認の強化を要請しています。
2023年2月までに大手が対応を終え、2023年上半期は被害が激減したと、警察庁の令和5年上半期のサイバー空間の情勢にあります。
それでも、2025年上半期にも、SIMスワップで本人確認を突破する手口は引き続きみられました。
乗っ取りへの備えは、番号の漏えいとは別に、大事なサービスの認証を見直すことで進められます。
Googleアカウントで見る、SMS以外の方式
Googleは、確認コードをテキストメッセージや通話で送る方式は、電話番号を使ったハッキングに弱いおそれがあるとしています。
そのうえで、2つ目の手順には、スマホに表示される確認の通知を勧めます。
この通知は、SIMスワップのような電話番号を使ったハッキングも防ぐと、Googleは説明しています。
パスキーとセキュリティキーは、フィッシングへの対策を強めるとされます。
説明はGoogleアカウントヘルプの2段階認証を有効にする案内(英語)にあります。
Googleアカウントの2段階認証の設定で、2つ目の手順に何を選んでいるかを確かめてください。
メールや金融など、乗っ取られると困るほかのサービスでも、SMS以外の方式を選べるかを確認します。
怪しい着信やSMSが届いたときの相談先
不審な着信やSMSで困ったときは、ひとりで判断せず、窓口に相談できます。
- 消費者ホットライン188
- 警察相談専用電話の#9110
- 警察署、またはフィッシング110番(偽サイトに入力した場合など)
国民生活センターは、海外からの知らない国際電話について、消費者ホットライン188と#9110への相談を案内しています。
フィッシングについては、警察庁のページで、警察署やフィッシング110番が相談先に挙がります。
まとめ:すぐ被害とは限らないが、入口を減らして備える
電話番号が漏れたときに起きうることと、番号を変えずにできる備えを整理しました。
要点は次の5つです。
- 番号だけの漏えいで、すぐにお金の被害になるとは限らないが、詐欺電話やSMSの入口にはなりうる
- Have I Been Pwnedで調べられるのはメールアドレスとユーザー名なので、番号は漏れた前提で備える
- iPhoneの不明な発信者の設定と、携帯会社の迷惑SMS対策を確かめる
- 認証コードは誰にも教えず、SMSのリンク先にも入力しない
- 大事なサービスの2つ目の手順は、SMS以外の方式にする
どの設定も届くものを全部は止められず、届く原因が番号の漏えいかどうかも、外からは確かめにくいです。
登録の段階で、どの欄に本当の番号を書くかの線引きは、次の記事で確認できます。

